先日、バイト先の社長が釣りに連れていってくれた。僕が人生で釣りをしたのは、小3の熱海での一回きりだった。針にイクラを一粒つける。3分もしないうちに引きを感じた。スッと竿をあげると、そこには魚が!!!針から外れようと暴れている。フィギアスケーター顔負けのスピンに、僕は手も足もでない。
社長に針を外してもらい、魚はニジマスだと教えてもらった。銀色の下地と水玉模様の皮膚は、着物の生地になりそうなほどきれいだった。
その後もニジマスが一匹釣れた。人生初の川釣りに満足しつつ、魚って結構単純なんだなと思った。もちろん、魚がいそうな場所を探したり、川の流れを読んだり、といった工夫が必要だけど、イクラ一粒で手のひらサイズの魚が釣れるなんて。
「カップラーメン無料で配布してまーす!」
威勢のいい声が響く。釣りに行く一週間ほど前、僕は札幌の地下道を歩いていた。電話会社のキャンペーンで、アンケートに答えると老舗が監修したカップラーメンが貰えるようだった。一度は通り過ぎたものの「無料でラーメン貰えるのはでかい」と踵を返した。
シンプルな記述式のアンケートだったが、一番上には「電話番号をご記入ください」の文字が。
やられた・・・。やはりうまい話なんて無かったのだ。カップラーメンという餌に、いとも簡単に釣られてしまった。
最後の質問は「今後〇〇からのお得な情報の配信を希望しますか?」だった。ラーメンをタダ貰っているし、目の前にアンケートのお兄さんがいる。きっと、「いいえ」に丸をつけにくい心理を狙っているのだろう。だがここは、しっかりと「いいえ」に丸をつけた。釣られても動き続けたニジマスのように、僕も抵抗した。
昔、某予備校のセンター試験(今は共通テスト)無料トライアルに参加したら、しつこい勧誘を受けたのを思い出した。「タダほど怖いものはない」と僕は感じた。
しばらくすると、タダの怖さを忘れてしまう。未来の自分へ。一年ごとにこの記事を読み返そう笑。そして、釣られないように気をつけよう。
P.S.
川の涼しげな音に癒やされました。トイレの音姫が故障したら使ってください。
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